臨床実習にもうすぐ出る、というあなた。
初日が近づくにつれ、楽しみよりも不安の方が大きくなっていませんか?
実習指導者(バイザー)と相性が合わなかったらどうしよう…
もし合格できなかったら…
最後まで元気に続けられるか心配…
など、心配なことが頭の中でどんどんふくらみ、その不安に押しつぶされそうになっているのではないでしょうか。
うんうん、よくわかります。わたしも20年前、同じ思いで実習初日を迎えました。
でもね、どうあがいても初日はやってくるので、なんとか勇気を奮っていきましょう。
その実習初日の挨拶、もう考えてありますか?
この記事では、いつも挨拶を受けるベテラン実習指導者(管理職)のすこみみが、学生からはこんな挨拶を聞きたいな、という個人的な思いを書いています。
指導者の気持ちをちょっと覗いてみれば、少し気が楽になるかもしれませんよ。
実習初日からあまり聞きたくない挨拶は?
毎回実習初日に学生があいさつにきます。
笑顔もひきつっていて、ものすごーーーーく緊張しているのがわかるので、とてもかわいそうな気持になります。
だから、そんな中絞りだした挨拶にあれこれいいたくはない。
ないんですが。
それでもできれば聞きたくないセリフがわたしにはあるんです。
それは
というひとことです。
学生は未熟なもの。ですから大小さまざまの失敗をすることでしょう。
それは実習前から決まっているようなもの。
わたしたちはみんな、同じ道を通って一人前になったんです。
自分がバイザーや他の先生方から受けたご恩を、今度は自分が教える立場になって学生を指導することでお返しする。
それが当たり前だから、学生のあなたが、頑張っても頑張っても未熟なためにやってしまう失敗を、迷惑だとは思わない。けっして。
だから、わたしは学生に「ご迷惑をおかけすると思いますが…」という挨拶をいわせたくないな、と思っています。
患者さんや指導者が聞きたいのは「力を尽くす」思いを込めたひとこと
わたし自身が学生から「ご迷惑をおかけします」という挨拶を聞きたくないのは、ひとつは今言った通り、学生のあなたに対していじわるな気持ちを持っていないからです。
それは、あなたは学生とはいえ患者さんに対してはプロ(の卵)だから、という理由です。
プロは「未熟だから迷惑をかける」と最初から想定して仕事をしてはいけません。
「自分の持つ最大限の力を提供する」と決めて頑張らなくちゃいけないんです。
結果として未熟なためにうまくいかないこともあるかもしれないけれど、それを最初から予告して、患者さんに「ご迷惑をおかけするかも」と挨拶するのは、タブーです。
あなたが患者さんや実習指導者に約束すべきこと。それは、精いっぱいの努力をして、未熟ではあるけれど、今の自分の最大限をお見せします、ということだけ。
それを肝に銘じて、はじめましての挨拶の時は「精いっぱい頑張ります。よろしくお願いいたします!」と元気に、胸を張って言ってください。
それだけで患者さんは十分だと思ってくださいます。未熟でも、自分と誰よりも一所懸命関わろうとしてくれているのが伝わるなら、患者さんはあなたと真摯に向かい合ってくださるはず。
言い訳をしない潔さや決意の混じった元気のよい挨拶は、周囲をあなたの味方にする力を持っています。
まとめ
実習初日の挨拶で気をつけてほしいこと、わたしが聞きたいひとことについてお話ししました。
ブラックなバイザーもいる、という話がネットや書籍、経験談で流れる中、不安でいっぱいの初日を迎えると思います。
でも、あなたは何も悪いことはしていません。何もしていないうちに、へりくだりすぎの挨拶をすることはないんです。
素直に、元気に、気持ちを表してくださいね。
- 何もしないうちから「ご迷惑をおかけすると思いますが」という挨拶はあんまり聞きたくありません。
- 学生が未熟でうまくできないことも多いのは承知の上。自分もそうだったので、迷惑だなんて思いません。だから安心して。
- 患者さんに対するあなたは卵とはいえプロ。だからその意味でも「迷惑をかける」前提で挨拶するのはやめましょう。
- 「精一杯頑張ります!」という挨拶は、周囲をあなたの味方にしてくれます。