今年も殺人的スケジュールで10校以上の就職説明会に行ったすこみみ(@theratama01)です。
就職する職場が、働きやすく、自分を成長させてくれそうなところかどうかは、専門職種であるリハビリ学生にとって、とても重要なポイントですよね。
そう思っているリハビリ学生のあなたに、この記事では、現役の採用担当者である私すこみみが「職場見学した病院はあなたを成長させてくれる病院かどうか」また「患者に良いリハビリを提供している病院かどうか」を見極めるポイントをお教えします。
職場見学でチェックすべきポイント
屋内や室内の様子、職員の様子
採用担当者の説明の裏の読み方
プラスの要素が実は何を表すのか
これを知っていれば、病院内を見学したり説明を聞いているだけで、あなたは冷静に、客観的に、自分が採用試験を受けるべき病院を見つけることができます。ぜひポイントを頭に入れて、就活に臨んでくださいね。
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リハビリ職場見学での見極めポイント①施設の様子
職場見学に行ったらまず気をつけてチェックしておきたいのが、その施設の様子です。
室内や廊下が暗すぎるのは患者の使いやすさより節約重視の施設
病院の中に入ったらまず気をつけたいのが、屋内の明るさ。
職員だけが使うバックヤードなら話は別ですが、患者・利用者の方がお使いになる廊下や部屋が薄暗い施設は、あまり好ましくありません。
私の病院でも以前は「節約」なんてシールがスイッチの所に貼ってあって、普段は消しておくエリアがあったのですが、それは廃止されました。節約よりも、そこを使う方の安全や快適さを重視すべきと判断したからです(当たり前!)。
患者やお見舞いの方が通られる可能性のあるところを、節約というこちら側の都合で暗くするという考えのある病院は、ホスピタリティを二の次にしている可能性がある、と思っておきましょう。
掲示物が雑然と貼られていたら、見る人のことを考えていない病院
支払いのご案内から売店の営業時間、イベント開催のお知らせまで、掲示板には様々な掲示物が貼られています。
これがどのように貼られているかはぜひチェックしたいポイントです。
たかが掲示物、と思っている病院であれば、見た目が悪い状態でもそのままにしてあるでしょう。反対に、きれいに整っている病院は、見る人の使いやすさに配慮できる、良い病院であるといえるでしょう。
リハ室の物品の整理整頓状況
リハで使用する大小さまざまな備品・物品がどのように置かれているかはぜひ見ておきたいポイントです。
普段からきちんと管理する仕組みができているかどうか、物を大切に扱うことを心掛けている職場なのかどうか、リハ室の様子を見ればわかります。
これも建物と同じで、新しい古いの問題ではありません。ここで見ておきたいのは先進的なリハに取り組んで新しいものを置いているのかどうかではなく、物を大切にする職場風土があるかどうか、というところです。
どんなに新しいものを取り入れていても、この職場風土がなければ、どこか雑然とした雰囲気があるものです。そこを見逃さないようしましょう。
リハビリ職場見学での見極めポイント②職員の様子
短時間でもわかるのは、職員の表情や動きの良し悪しです。
忙しい時でも表情が明るいこと、すれ違うどんな人にも挨拶していること、職員同士が声をかけ合っていることなどは、見ればだいたいわかります。
私が今の病院に転職する前、職場見学に行ってとても印象的だったのが、職員の挨拶の気持ちよさでした。その時誰がどこでどんな風に挨拶してくれたのかを今でも覚えているくらいで、私にとってはとても重要な要素だったな、と思っています。
また、職員の動作がキビキビしているか、物を扱う動作が雑ではないか、なども、見学しながらチェックできる要素ですから、ぜひ見ておきましょう。
リハビリ職場見学での見極めポイント③患者の表情
リハ中の患者さんの表情にも注目したいですね。
重症度はさまざまですから、すべての患者さんの表情が豊かとはいえないかもしれません。しかし、職員がコミュニケーションを取りながらリハをおこなっていれば、多くの患者さんの表情に変化がありますし、ラポートが形成されていれば、笑顔も見られるはず。
見学中は、どんなリハをしているか、どんなものを使っているか、というところに目が行きがちですが、ぜひこうしたところにも注目しておきたいものです。
リハビリ職場見学での見極めポイント④募集人数や内訳
見た目のポイント以外にも気をつけておきたいのが、募集人数や現在の職員の内訳です。
毎年募集人数が多いのは離職率が高い証拠!?
新設の病院でもないのに、毎年10人以上の募集がある病院の場合、離職率が高い職場である可能性があります。
そういう病院は職員の母数も大きい所が多いと思いますが、それにしても10~30人募集なんていう求人を見ると心配になりますし、実際に「やめる人が多くて…」と教えてもらうこともあります。
次の項にも続く話ですが、新人を育てた、と思ったら辞められてしまい、次の世代を育てる職員がなかなか増えない、だから人が育つ環境になかなかならない…という負のループになっている場合がありますから気をつけましょう。
若い職員ばかり多いのはベテランが育ちにくい職場!?
説明を受ける時に気にしておきたいのが、療法士の内訳、とくに経験年数の内訳です。
「うちは若い職員が多くて雰囲気がいいよ」という一見プラス要素の説明の裏には「ベテランが残っていない職場」という事実が隠れているのかもしれません。
特に回復期リハ病棟に多いのが、経験年数10年未満が中心という状況。
回復期リハ病棟が増えたときに一気に職員を増やした病院が多いため、よくあることではあるのですが、10年未満ばかりだと離職率が高く、職員が定着しにくい職場である可能性もあります。
だとすればそれは何が理由なのか、考えねばなりません。
ある一定の経験年数まで来たら昇給しにくいのか、休みがとりにくい職場なのではないか、職員の成長を支援してくれる、教育研修の仕組みや自己啓発を援助してくれる制度が不十分なのではないか。
質問してもこのあたりは本当のことを答えてもらえないところでしょうから、口コミや先輩たちの情報などをがんばって集めてみたほうがいいでしょう。
リハビリ職場見学での見極めポイント まとめ
- 屋内が程よく明るく、掲示物にも心配りがある病院は患者のことをよく考えている病院。
- リハ室が整理整頓され、物品を丁寧に扱っているところは、普段から仕事や物を管理する仕組みのある、きちんとした職場。
- 職員の挨拶や声かけ、動きの良さはその職場の風土を表している。
- リハ中の患者さんの表情にも注目。ラポート形成ができていれば笑顔も多いはず。
- 募集人数や現在の職員の内訳には要注意。募集が毎年多ければ離職率が高いのかも。
自分が実習に行った病院であれば、長い時間をかけてその病院の様子を知ることができますが、初めて見学する病院であれば、実際の様子を知ることは難しいのは事実です。
だからこそ、職場見学をするときには、見るべきポイントをしっかりと決めてチェックすることも大切。
今回説明したポイントをクリアしている病院や施設であれば、おのずと雰囲気も明るく、親しみの持てる空気があると思うので、注目してみてくださいね。