今回はとくに女子学生が悩んでいるだろう、実習中のお化粧について考えます。
ヘアスタイルについてはこちらの記事も読んでみてね。
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病院実習中のお化粧はしないほうがいい?
臨床実習中のメイク、あなたはどう考えていますか?
メイクしたら生意気だと思われそう…
バイザーがお化粧してないからしにくいなぁ
ほかの実習生はすっぴんで、自分だけお化粧してたら浮いてしまいそう
そんなふうに迷っているんじゃありませんか?
ネットでそんな悩みを相談している学生に返ってくる答えはさまざまです。
中には「あなたは何しに実習にきているんですか?」なんて、厳しい言葉を浴びせる人も。
理由は「大人のメイクは、社会人としてのマナー」だから。
学生がメイクをするのはけしからん、という人は、このことを忘れているように思います。
バイザーをはじめとする実習先のスタッフや、なによりも担当させていただく患者さんの目に、健康的で明るい、きちんとした女性として映るようなお化粧をする。
あなたには、メイクが社会人としての配慮であることを知ってほしいのです。
どの程度のお化粧が適切なの?
とはいえ、お化粧ならどんな感じでもよいかというと、もちろんそんなことはありません。
T.P.O.に合わせたお化粧をするということが、実習中、そしてその後も必要です。
仲間とチェック!あなたのメイクは大丈夫?
たとえば、友達と遊びに行くような、こんなメイクで病院に行くのはNG。
クラスメイト同士で向かい合って確認したり、先生にチェックしてもらったりしておきましょう。
- 鮮やかな原色のアイシャドウや口紅
- ラメがきらめいているメイク(小さくてもダメ!)
- 頬の高い位置にまんまるく入れたチーク
- 濡れたようなリップグロス
- 囲み目アイライン
- まつエク・つけま
- ひじきのようなボリュームマスカラ
- カラコン
- 涙袋
- やりすぎハイライトやシェーディング
- まったくのすっぴん
看護師の研究で明らかになった「程よいメイク」
比較的新しい、2017年に行われた研究があります。
この研究は、看護師のメイクに対する認識と、患者・家族の認識を比較して、臨床にふさわしいメイクの基準を作成し、看護師の意識向上や教育のきっかけになることを目的として行われたもの。
調査対象も看護師700名、患者350名、その家族350名と数が揃っている、きちんとした研究で、調査のひとつとして、以下の5段階のメイクを提示して「清潔感」「優しさ」「明るさ」「信頼感」「真面目さ」の5項目について対象に評価してもらっています。
(研究方法や結果の詳細についてはネットでも検索できるので、興味のある方は、ぜひ下のリンクから論文を読んでください)
5段階のメイクはこんな感じ。
- ファンデーション+まゆずみ(アイブロウ)
- ①+チーク+口紅
- ②+アイライン+マスカラ
- ③+アイシャドウ
- さらにマスカラとアイシャドウを濃くしたもの
引用元:荻あや子.患者や家族と看護師の化粧に対する認識の比較に関する研究.コスメトロジー研究報告 25, 130-137,2017
調査の結果、看護師・患者・家族すべてで評価点が最も高かったのは、②の「ファンデ+アイブロウ+チーク+口紅」だったそうです。
さらに
化粧AとC(注:上のリストでは①と③)の評価得点に有意差がないことから、化粧Cまでを看護師の好ましい化粧として提案したい。
引用元:荻あや子.患者や家族と看護師の化粧に対する認識の比較に関する研究.コスメトロジー研究報告 25, 130-137,2017
ともありました。
程度にもよると思いますが、明らかにそれとわかるアイメイクは、とくに患者・家族の評価が厳しかったそう。
でも、結構ちゃんとしてもいい、ってわかりますよね?
どんなアイシャドウを入れていたのか、画像はないからわからないのが残念ですが、アイシャドウについても、ごく自然な、マット系のベージュアイシャドウなら、相手にもわからず、入れても大丈夫ではないかな、と思います。
結局どんなメイクが良いの?
臨床実習は、あなたが初めて経験する、大人の世界。
郷に入っては郷に従え、ということばがあるとおり、新しい世界に溶け込むためには、自分の常識だけを押し通すことは避けるのが賢明です。
でも、そう言われてすぐにぴったりのメイクができるか、っていうと、はっきりいって難しいのではないでしょうか。
あなたに必要なのは「患者目線・バイザー目線、つまり大人目線で見て『清潔感があるな』『優しそうだな』と感じられるメイク」。
そんな、相手が満足するメイク、できそうですか?
まとめ
実習中のお化粧については、学校や実習地のルールが決まっている場合がありますが、多くの場合、すっぴんを推奨するルールはありません。
患者さんに不快感や心配を与えないこと。それはわたしたち医療従事者のつとめでもあります。
それを忘れず、ぜひ相手の視点に立った身支度のできる人になってくださいね。
- 社会人にとって、メイクはマナーだと覚えておきましょう
- 実習中にメイクなんてけしからん!という意見を気にするよりも、患者さんに不快感や心配を与えない配慮をしましょう
- ただし、学校や実習地のルールには従いましょう
- 学生の遊びメイクとは区別し、明るく清潔感のあるメイクを心掛けましょう