PT・OT・STの卵のみなさんこんにちは。すこみみ(@theratama01)です。
これから臨床実習でお世話になる実習先への電話って、ものすごく緊張しますよね。
学生のあなたは、おそらく普段の友達に連絡するのだってLINEが中心、電話そのものをほとんどしないんじゃないですか?
それなのに、今回電話をかける先ははじめての場所、しかも病院のような公の施設。しかもその相手は実習に受かるかどうかの運命を握っているバイザーだから、敬語や質問のしかたで失敗なんてできない…きっと通話ボタンをタップするの、ものすごく勇気がいるんじゃないかと思います。
でもね、実は実習先への電話って、やりとりのパターンさえ知ってしまえばそれほど大変ではないんです。
電話のかけ方や敬語の使い方はこの先働くうえで絶対に欠かせないマナー。だから早いうちから正しい話し方をマスターしておいて損はありません。
そこでこの記事では、メガバンクで働いた5年間で厳しいマナー研修を受けてクレーム電話にも対応し、その後療法士としても経験20年、現在は職員教育を統括している私、すこみみが
私ならこうやってバイザーに電話する
私がバイザーなら、こんな風に学生が話してくれたら感心する
わたしがバイザーなら、こんなことは自分で調べておいてほしい
と思う電話の準備からやりとりまでを完全マニュアル化してご紹介します。
このマニュアルでは、臨床実習担当者が学校に事前にお渡ししている施設の情報についても触れていますが、これは既存の本やネット記事には全く出てきていないものです。
緊張してなかなか電話をかけられないでいるのなら、まずはこのマニュアルをプリントアウトしてください。そして内容を確認して準備したら、何度も声を出して、なんなら友達と役割を交換しながら練習してみて。
このマニュアルで十分準備してから電話すれば、バイザーが相手だって、思ったよりもずっと楽に話すことができますよ!
TPOに合わせた電話マニュアルならこちらもぜひ読んでみてくださいね。
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【用意】電話をかけるまえに準備するもの
バイザーとの電話では、聞くはずのことを聞き忘れることがよくあります。
なぜなら、学生は必ず、ものすごく緊張するにきまっているからです。
質問の内容や順番を忘れてしまったり、聞いたつもりなのに、バイザーが何と答えたか忘れてしまっていたり、メモし忘れていたり…そんな風になりそうだと思いませんか?
ここでは、そんな恐ろしい失敗を避けるために、用意しておくとよいものをご紹介します。
質問内容の一覧
そんなことはしないと思いますが、バイザーが電話に出てから質問内容を考える、なんてことはやめましょう。
電話は相手とのやり取りで成立するもの。たとえばバイザーがものすごい早口だったとしたら(そんなセラピストは困りますが…)、勢いに押されて、決まりきった質問すら出てこなくなります。
あわてないためには、事前に聞くべきことを順番通りに一覧表にして、手元に持っておくことです。
もちろん敬語も入れこんでおくと安心です。
メモ帳と筆記用具
メモ帳と筆記用具は、必ず手元に置いてすぐに書きとれるようにしておきましょう。
書きなぐってどの質問の答えかわからない、なんてことになるのを避けるなら…
- 先ほど用意した質問一覧表に回答を記入する欄を作っておく。
- さらに楽をするなら、答えが予想できるものについては選択肢を書いておいて、返ってきた答えに〇をつける。
- 数回ある実習では、質問することはほぼ一緒。それなら、ワードかエクセルを使ってひな形を作っておいてもいい。
そんなことまでしなくても大丈夫、ですか?
いやいやいや。絶対緊張しますから、念には念を入れておきましょう。
クラスメイト同士で作って共有してもいいですし、便利だったら、後輩に引き継いであげてもいいでしょう。
これは就職したら必要な、仕事の効率化の練習です。手をかけなくても良いところはどんどん効率化すればよいと私は思います。
仕事の進め方については実習中も必要。こちらの記事が参考になりますよ。
記入漏れは必ず起こす!通話内容録音アプリを使うのも手
緊張すると、ちゃんと聞いてメモしたつもりでも、肝心のことを聞き逃したり書き取り忘れたりするもの。
後から気づいてもう一度電話する勇気は絶対に出ないと思うので、自信がない人は、スマホに録音アプリを入れておくのもひとつの手。
※通話録音自体は、断らなくても違法性はありません。ただし、悪用したらダメ!
詳しくは>>相手に無断で会話を録音した場合は違法?証拠になる?
iPhone、androidそれぞれで評価の高いアプリを載せておきますので利用してみてください。
通話レコーダー – 通話の録音 & ボイスレコーダー
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【情報収集】事前に自分で確認しておくべきこと
事前の電話でなんでもかんでもバイザーに聞いてはいけません。
なぜなら、自分で調べれば簡単にわかることもあるからです。
電話を受けると「そんなこと、先に学校に返事してあるけど、先生とコミュニケーション取れてないのかな(ていうか、先生も教えてあげましょうよ)」と思うことが多々あります。
電話をかけたときに、そんな風に思われたくないですよね。
ここでは、電話をかける前に自力で調べられることをまとめておきます。
学校に情報が来ていることも多い
あなたが今回の実習先に行くよりも1年前に、学校や先生方はわたしたち実習施設に調査や正式の依頼をしてくださっています。
そして、あなたが困らないように、事前に聞いておけることはアンケート形式で質問し、わたしたちから回答を得ています。
電話をかける前には、あなたの実習をケアしてくれる担当の先生と必ずお話ししてください。そして、こちらからの回答を見せてもらってください。
学校に事前に送られている情報の例
- 事前に学んでおいてほしいこと
- 実習初日に行く時間と場所
- 昼食が施設で購入できるかどうか、食堂があるかどうか
- 交通アクセス
- バイザーの所属部署や職位(肩書がある人の場合)
ね?あなたの知りたいことが来てるでしょう?
もちろん、これらをメモしたうえで、不安があれば再度確認するのは構いません。その場合は、
と聞くと、きちんとしているな、と思われます。
「心配なので」は私にとっての魔法のワードで、そういってくれたら、私なら心がくすぐられて助けてあげたくなるものです(笑)
学生はどのみち不慣れでたどたどしいもの、と私たち指導者はわかっています。
だから、バイザーの母性や父性を刺激する「生まれたての小鹿」感を存分に使うほうが、バイザーとの人間関係は良くなります。
もちろん、なんでもかんでも頼るのは論外ですが、無理に背伸びしないで甘えることは戦略的にやってもいいと思いますよ。
ホームページに実習生向けコンテンツがあることも
最近は実習施設のWEBサイト(ホームページ)が充実しています。
というのは、企業にとって、WEBで自分の法人を広報することが経営戦略として非常に重要だからです。WEBサイトも、訪れる人にとって使いやすく、知りたい情報が載っていることを目指して作られるようになってきているんです。
実習先のWEBサイト、当然あなたはもうチェックしていると思いますが(チェックするんですよ?わかりましたね?)、その時によく調べてみてください。
もしかすると「医療機関の方へ」や「医療従事者の方へ」といったコンテンツの中に、実習生向けの記事があるかもしれません。
トップページからいける場合が多いですが、中にはリハビリテーションの部署のコンテンツ内にある場合もあります。
そこには、あなたが聞きたい質問への答えが親切に出ています。
もしそんなコンテンツがなかったら、安心して電話で質問してくださいね。
交通手段は本番と同じ時間にリハーサルするのがベスト
実習前には、朝のラッシュアワーに通勤のリハーサルをしておくことが大切です。
なぜなら、事故渋滞や自然渋滞など、日中では想像できない事態で、予想以上に実習先に行くまでの時間がかかってしまう可能性が高いからです。
あなたは実習先に、公共の交通手段を使っていくでしょうか?それとも自分の車で行くでしょうか?
いずれにしても、当日と同じ時間帯(だいたい8時頃でしょうか)に実習先に着くつもりで行ってみましょう。
そのうえで、自分の車を停めるところ、バス停の場所(バス停が玄関からとても離れている場合や、路線によって止まるバス停が違う場合があります!)まで、よく確かめておいてください。
そして、わかりにくいところがあれば、バイザーに質問してくださいね。
バイザーの所属や職位(肩書き)はメモしておこう
実習先となる施設はたいがい大きな規模で、多くの職員が働いています。
ですから、電話をかけたときに出るのは、代表電話を取る事務方の職員や交換手です。
電話でいきなり「理学療法士の△△先生をお願いします」といったら、相手の方は△△先生がどこの部署にいる人なのか、調べなければいけなくなります。
そのような迷惑をかけないために、電話をかける前にはきちんとバイザーの所属部署や職位を調べて、メモしておきましょう。
【質問】確認すること、しなくていいこと
ここまでのパートを読んで、あなたが自分で調べて解決できたことは、原則バイザーに聞かないようにしましょう。
なぜなら、バイザーは仕事の忙しい中、もしくはようやく休めている短いランチタイムに、あなたの電話に時間を費やしてくれているからです。
このパートを読めば、何を聞かねばならないのか、何を聞いたら苦笑されるのか、それがわかりますよ。
【必須】実習初日の時間・場所は勘違いのないように聞いておこう
【情報収集】のパートで書きましたが、初日の出勤?時間や場所は、ほとんどの場合、実習先から学校にお返事していますし、ホームページに載せていることもあります。
しかし、時間と場所については、やはりバイザーに直接確認しておくべきです。
というのは、そのバイザーが、実習窓口の職員(が別にいることも多いです、大きな職場なら。ウチなんかはそう)がどのように返答しているか確認していない、なんていうこともあるからです。
その際は「ちゃんと調べてます!」というアピールとして
という言い方をしてくれるとうれしいですね。
そのうえで、もしあなたが行くべき場所がいまひとつわかりにくかった場合は、きちんと理解できるまで質問してください。
調べてあっても、当日たどり着けなければ意味がないんですから、ここはわかったようなふりをしてはいけません。
【必須】昼食は食いっぱぐれ防止のために確かめておこう
これも同じで、情報を持っていてもしっかり確認しておきましょう。
もし実習先に売店や食堂がなかったら、あるいは食堂があっても事前に依頼しておかなければいけなかったら(職員専用の食堂だとありがちなこと)、あなたは元気に過ごさなければいけない大事な初日にお昼をくいっぱぐれることになります!
街中にある施設であればコンビニに駆け込むこともできますが、大きな施設ほど郊外にあるもの。「売店がない!」と思っても時すでに遅しです。
私の職場の場合は
- 売店はあり、お弁当も買えます。でも日によって品ぞろえや売れ行きに違いあり。
- 職員食堂は利用可能ですが、事前に申し込みが必要。
- 近くにコンビニはありません。
という、学生にとって不安なランチ状況。
なのでしっかり具体的に学校にはお伝えしています。
バイザーの気がきけば「お昼の用意はどうする?」と聞いてくれますが、うっかりすることもあるので、ここは自分から
と聞いてみましょう。
事前情報がなかった場合は、
と聞けばOKです。
持ち物については「質問」でなく「再確認」のつもりで
持ち物について、学生に特別なものを持ってこさせる病院施設はありません。
なぜなら、学生に実習で学ばせることは、リハの専門職として基本中の基本のことばかり、担当してもらう方も典型例が多く、あなたが思う以上のものが必要になることはないからです。
あ、でも、ユニフォーム以外に必要な服装(ジャージとか、靴が複数必要とか)を持ってくるように、くらいは言われるかもしれません。そこは気をつけて。
ゴニオメータやメジャー、鼻息鏡、ペンライトなど、自職種の3種の神器みたいなものは、聞かなくても持っていくべきものです。
ですがこれについても、バイザーからは特に指定されることはないかもしれません。
質問のしかたとしては
というオープンクエスチョンはやめて、
というクローズドクエスチョンをしましょう。
ちなみに、持ち物についても事前アンケートで養成校にお返ししていることがあるので、先に学校で確かめましょうね。さっきかいた「ユニフォーム以外に必要な服装」みたいなことも、たいがい書いてあります。
服装は質問してもいいが、本来自分で判断してほしい
お世話になる相手に「何を着ていけばよいですか?」と質問するのは、本来とても失礼なことです。
何を着ていくのか、というのはマナーの一部なわけで、「何を着ていけば…」と聞くのは、礼を尽くす相手にたいして「どんな礼を尽くせばよいですか?」と聞いているのと同じだからです。
心配なら聞いても悪くはありませんが「なんでもいいよ」「常識の範囲内なら」といわれるのがオチです。常識の範囲内のことまで、不安だからと相手にたずねるのは社会人としては未熟だな、と思われる可能性だってあります。
でも、同じ時期に別の学生が来ていることも多いし、その中で失敗して浮きまくったら怖いですよね。
公ではこんなことを教えないのですが、このブログではあなたの不安はできるだけ解消したい。そこで、過去にこんな記事を書きました。かなり具体的です。
【社会人の常識】電話の基本的マナー
自分で調べられることを調べたうえで、質問しなければいけない内容を、わかりやすく、順番通りに並べ終わりましたか?
それでは今度はいよいよ電話のかけ方そのものについて考えましょう。
電話をかける日には注意が必要!平日休みの場合もある
最近は、バイザーが平日にいない場合があるので、電話をかける日には注意が必要です。
その理由は、たとえば回復期リハ病棟で最近よくあるように、365日リハを実施していて、週休2日だけれど土日が休みでないシフトになっていることがあるからです。
シフトは固定制ではないでしょうから、あなたが電話したい実習開始1週間前くらいに、バイザーがいるかどうかはわかりません。決まるのも直前ですからバイザー会議で聞いてもおそらくわからないことです。
でも、その場合どうしたらよいかは、わたしの場合は事前の書類に記入してお返ししています。
スーパーバイザーがいなければケースバイザー予定の人がわかっているかもしれないし、逆に上司や実習窓口の担当管理職が対応してくれることもあります。
したがって、学校にある書類で、電話を誰にかければよいか(バイザー不在の時に誰につないでもらえばよいか)を確認しておきましょう。この質問内容ならば、バイザー会議で聞いておいても大丈夫です。
また、たとえバイザーが平日休みだったからといって、土日に実習先に電話はしないこと。平日よりも出勤者が少ない場合もあるので迷惑をかけてしまいます。
電話をかけるタイミング・時間帯
電話をかけるタイミングには、細心の注意を払う必要があります。
なぜなら、電話をかけるということは、バイザーの時間を奪うということだから。また、かける時間を間違えれば、リハ介入中で、バイザーだけでなく患者さんにもご迷惑をかけることにもなりかねません。
それくらいのことはあなたももちろん承知していると思いますが、実際にはどの時間にかければいいのか、微妙なところがわからないから困るのではないでしょうか。
実はこれも、事前のアンケートや書類でたいがいお返事していると思いますが、ポイントはこんな感じです(ちょっと多い)。
- 学校に来ている書類を見て、電話してよい時間を確認!
- バイザー不在の場合の指示があるかどうかも確認しておこう。
- 昼休みがいいと書いてあるネット記事もありますが、昼休みは短ければ45分、長くても60分です。実習先の指示でなければ昼休みは避けましょう。
- ただし、確実に捕まえられるのは昼休み、ともいえるので、事前の確認が大事です。
- 夕方の場合、何時が良いかは、実習先の業務予定によって違います。だいたい17時~17時半くらいに、と指示されると思いますが、これはバイザー会議で事前に確認しておきましょう。
- 絶対にこの時間がいい!というのはいえませんが、絶対にかけてはいけないのは、8:00~12:00、13:00~17:00の時間帯。ここはやめておきましょう。
- 先輩と連絡が取れるなら、前年度実習に行った先輩に聞いてもいいと思いますが、その先輩ももはや就職しているので、タイミングよく教えてもらえるかどうかはあまり期待できないかも。
つまり、ケースバイケースということ。
事前の確認をしたうえで、ポイントに挙げた「絶対にかけてはいけない時間帯」を考慮してかけましょうね。
電話は静かな環境からかけること。携帯は特に注意!
バイザーに電話をかける時は、静かな環境を選んでかけましょう。
携帯電話はどんな場所からでもかけられる便利なツールですが、それが災いして、ガヤガヤうるさいところからでもかけられてしまうんですよね。
でも、電話の背後でキャーキャーいう声や、ガチャガチャ物音がするのは大変失礼です。
うるさくてかなわない、声が聴きにくい、ということもありますが、バイザーとの電話のために最善の努力をした、という印象がなく、あなたにとっても損になります。
今は固定電話をかけられる場所が限られているし、下宿先なら固定電話を家にも置いていないと思いますので、携帯でかけるのは仕方がないと思います。
ですからなおのこと、騒音に対する配慮を怠りなく。
学生ホールや学食のような広い場所は、声や物音が特によく響くので注意してくださいね。
1回の通話時間の常識
バイザーの仕事の時間を奪っている以上、だらだらと要領を得ない通話を続けてはいけません。
スムースに質問をし、知りたいことを確かめ終えたら、通話を終える。
最長でも5分というところでしょう。
代表電話からの場合、すぐにバイザーに繋がらないかも
代表電話に電話することが多いはずですが、「少々お待ちください」といってつないでもらって、そのあと最初に出るのがバイザーとは限りません。
リハ部の窓口電話で新人が急いで取って、バイザーを呼んでくれることもあるでしょう。
ですから、誰が出ても対応できるようにしておきましょう。これは後でマニュアルにしますね。
聞いたことは必ず復唱して確認する
緊張のあまりやってしまいがちなのが、復唱しないまま通話を終えること。
復唱しないで電話を切っては絶対にいけません。
ひとつ指示を受けたら、確認のために復唱してください。もし勘違いしていれば、その時に修正してもらえます。
かならずメモして復唱する、という習慣をつけましょう。
【要注意】電話を切るタイミングや切り方
受話器をどちらが先に置くか。
普通の電話での常識と、実習や就活の場合とはちょっと違うので少々面倒です。
一般のマナーでは、電話をかけた方が先に受話器を置く(通話終了する)ことになっています。
しかし、明らかに目上の方にかけるビジネス電話や就活の場合は、かけた方がさっさと切ると、失礼と取られてしまいがちです。
したがって、実習前のバイザーへの電話でも、切るのはバイザーが先、と心得ておきましょう。
それともうひとつ、電話の切り方ですが、固定電話の場合は「受話器を置く」といっても、本当に直接置いてはいけません。これはたとえ、相手が先に切った、と思ったとしても同じです。
受話器を置く前に、電話のフック(受話器を置くところ)を指でそっと、ゆっくり押さえて切るようにしてください。
ただし、1回押しただけではなぜか切れないことがあるので、そのあと指を放して話をし始めないこと。
指でフックをしばらく押さえたあと、そこにかぶせるようにしてそーっと受話器を置く。これがもっとも安全でしょう。
スマホからかける場合は、そんな気の使いようがありません。ただ、気持ち丁寧に、そっと通話終了ボタンをタップしてください。
尊敬語・謙譲語とクッション言葉はマスターしておく
おかしな敬語は使ってはいけません。自信がないなら今すぐ正しい敬語をマスターしておく必要があります。
なぜならそれが社会人の常識、マナーだからです。
そうとはわかっていても、「申し上げる」や「参ります」のように、へりくだった言い方をする「謙譲語」や、「召し上がる」や「ご存知だと思いますが」のように、相手を立てる「尊敬語」は難しいと感じるのではないでしょうか。
でも、まだ親しくもないバイザーに、言葉遣いで「ダメだな」と先入観を持たれたくはないですよね。それならこうした尊敬語・謙譲語はしっかり使えるようになっておきましょう。
また、お願いをしたりお断りをしたりしなければいけない時に表現を柔らかくする「クッション言葉」を使いこなせるようになることも大切。
これらの言葉遣いについては、かなりの種類があるので別の記事にまとめることにしますが、バイザーへの電話で必要な言葉遣いについては、このあとの「やりとりマニュアル」で実際に使っています。
使ううちに自然に口にできるようになりますから、今からしっかり慣れておきましょう。
【話し方】意識して明るい声でハキハキ話す練習を
電話では、意識して明るい声を出し、ハキハキと対応できなければいけません。
なぜなら、電話では顔が見えず、あなたという人間を、声や話し方ですべて判断されてしまうからです。
緊張している中で話し方まで意識するのはとても難しく感じるかもしれませんが、あなたの印象を決める重要な要素なので、練習して、印象アップに努めましょう。
普段の話し方が必ず反映される、と心得よう
電話での話し方には、普段のあなたの話し方が必ず反映されます。
目上の人とこれまで電話をする機会が少なかったあなたが、電話の時だけ上手に立ち回れることはありません。
リハの学生であるあなたならわかると思いますが「できるADL」から「しているADL」に般化させるには、意識して使う、を繰り返すことが必要。
明るくてハキハキした話し方ができるように普段の話し方から変えていきましょうね。
こんな話し方だとガッカリされる
抑揚のない話し方、語尾が消えてしまう話し方は積極性が感じにくく、ガッカリされてしまいます。
また、何をきいても「あ、はい…」のように「あ、」が入るのも、子供っぽく感じられて残念な印象を与えます。
クッション言葉で印象を柔らかくしつつ、YES-NOははっきり返す。
こんな話し方ができると頼もしく感じてもらえるでしょう。
【台本】やりとりマニュアルで練習しておこう
さあ、ここまでの準備は万全ですか?
それではここからは、これを練習して実践するだけで安心の「完全やりとりマニュアル」です。
はじめは拙くても、繰り返し練習するうちにあなたの自然な口調に必ず変わってきますから、しっかり読み込んでモノにしましょう!
1.代表電話で取り次ぎをお願いする
代表電話で細かすぎる自己紹介は不要です。
なぜなら、代表電話を取る事務の職員は、通常業務で忙しい中、とても多くの外線電話を取っていてからだし、交換手がとる場合は、電話の詳しい内容までは求めていないからです。
代表電話を取り、職員に繋ぐ役割をしている人にとって大切なのは、
あなたがどこに所属する誰であるのか(この段階では学科名までは不要)
どのスタッフにこの電話をつなげばよいのか
この2点だけです。
それを念頭に置いて、次のように話しましょう。
2-1.バイザーが不在の場合
ここでは、1の後、部署に繋いでもらったらバイザーが不在だった、という時のやりとりをご紹介します。
代表電話を取った職員はおそらくきちんとあなたの所属と名前を伝達していると思いますが、中には「聞き逃してしまったんですけれど、学生さんのようでした」というつなぎ方をしていることもあります(こんなのは本当はダメです)。
したがって、再度自己紹介を、今度はもう少し詳しくしましょう。
まちがっても「こんにちは~」から入らないこと。ここ重要です!
「折り返し電話させる」といわれた場合①
折り返します、と言われても、一応は再度かけ直す旨伝える方が良いでしょう。
その場合は次のように申し出て。
相手が切ったのを確認してから静かに受話器を置きます(通話ボタンをタップします)。
「〇時には戻る」といわれた場合
相手が切ったのを確認してから静かに受話器を置きます(通話ボタンをタップします)。
微妙な違いしかありませんが、わかりましたか?たいていは「折り返し」を提案されるので、こちらからかけなおすと申し出ましょう。
ただし、相手にとって、折り返しの方が都合の良い場合もあります。
申し出て、それでも「折り返しの方が良い」と返ってきたら、素直に受け入れてください。
その場合は、次の②の通りにしてみて!
「折り返し電話させる」といわれた場合②
相手が切ったのを確認してから静かに受話器を置きます(通話ボタンをタップします)。
2-2.直接バイザーが出た場合
代表電話→部署の電話に繋がって、直接バイザーが電話口に出た場合のやりとり例です。
さあ、本番です。がんばって!
(ここで「今ちょっと手が離せないんだ」といわれたら、かけなおしてよい時間を確認していったん切りましょう)
(説明や質問をするときには、最初に「何点」言いたいのか、聞きたいのかを明確にするとより伝わりやすくなります。電話の目的もはっきりつたえましょう。)
(わかったときは「承知いたしました」もしくは「かしこまりました」を使います。「わかりました」ではダメ!)
以下は、1つめの質問と同様に質問をすすめます。
そして締めくくりはこんな感じです。
バイザー△△さんが受話器を置いたのを確認してから静かに受話器を置きます(通話ボタンをタップします)。
2-3.ほかのスタッフからさらに取り次いでバイザーと話す場合
代表電話→部署の電話に繋がって、最初に電話に出たスタッフがバイザーではなかった場合の取り次ぎの頼みかたから、バイザーとのやり取りの最初までです。
(バイザーが電話に出ます)
以下は2-2と同じです。
このように、取り次ぎの取り次ぎ、でようやくバイザーにたどり着くことも多いですから、違うスタッフが電話に出てもあわてないようにしましょう。
【こちらも確認!】実習中に体調不良の電話をする場合
実習がはじまってからも、緊急の連絡をバイザーに電話ですることが時々あります。
いちばん可能性が高いのは、あなたが体調を崩した場合です。
体調不良時は、あなたが勝手な行動をすることでバイザーや実習先に迷惑をかけることにもなりかねないので、必ず家を出る前に電話連絡をしなければいけません。
体調不良時のあなたの対応のしかたについては、こちらの記事に詳しく説明してあるので、実習がはじまる前にぜひ確認してくださいね。
【必携】持っていると安心な2冊の書籍
この記事を使い倒せば、実習前の電話については困ることはありません。
でも、実習中や就職後には、あなたがコミュニケーションで困ることがまだまだ出てきます。
そんな時に持っておくと助かる書籍を2冊ご紹介します。
電話のかけ方・お礼状の書き方はもちろん、患者やバイザーとの人間関係やコミュニケーションに悩んだ時にぴったりの1冊。第2版はさらに詳しくなっています。
敬語の使い方、席次、スケジュール管理に報連相など、すべての仕事に共通する大切なビジネスマナーと常識について、わかりやすく書いてあります。1つの項目が具体的かつ簡潔で、図解が多くて見やすいのも私が気に入っているポイントです。
まとめ
実習開始1週間前あたりにバイザーにかける電話について、あなたが確認しておくこと、質問すべきことから、電話のマナーや実際のやり取りのしかたまでをまとめました。
電話は顔の見えない相手とのコミュニケーション。
あなたの態度や話し方、マナーや配慮が、あなたという人の印象を決めてしまいます。
バイザーだけでなく、電話に対応してくださるすべての相手にたいする気配りができるよう、普段から練習したり意識したりしておきましょう。
- 電話をかける前に用意する物、調べておけるものを確認しておきましょう。
- 自分で調べればわかることを忙しいバイザーに聞くのは迷惑。学校にもきちんと情報をお渡ししているので、それを無駄にしないようにしましょう。
- 丁寧語・尊敬語・謙譲語などの敬語は、大人社会の常識です。苦手ならばしっかり調べて、普段から使って慣れていきましょう。
- 仕事中のバイザーに電話するのだということを忘れず、迷惑にならない時間帯を確認して電話しましょう。
- 普段のあなたが電話には確実に出ます。明るくハキハキとした話し方を普段から心掛けましょう。
- ぶっつけ本番では緊張してうまくいきません。「やりとりマニュアル」を使って、クラスメイトと役替わりで練習を繰り返しておきましょう。電話相手役も練習することで、就職後の電話の役に立ちます。